思いも寄らない副作用~短期間で決断すること~
退院後受診をし手術で切除した物を検査した結果、改めて抗がん剤治療の必要性があると話がありました。
治療の副作用として閉経するリスクがあることについて初めて知り、診察室で呆然としました。
体調や気持ちが万全ではない中で、産めなくなる可能性があることを踏まえた治療の決断を行うことが難しいと思いました。
目次
子ども産みたかったんだ
退院後の初めての受診で、次の治療である抗がん剤治療について話があり、その副作用に思いも寄らないことがありました。
何故抗がん剤治療が必要?
抗がん剤が必要な理由としては、
腋窩リンパ節に転移があることで、細胞レベルで全身に散らばっている可能性があるがんを叩く必要がある。
他にも細胞の顔つきが良くなかったり、分裂能が高いとのことでした。
リンパ節転移があることは全身病として考えることになると。
術前の検査では、幸いにもリンパ節以外の転移はありません。
手術を受けただけでは終わらない大変さがあり、これからが本番のように思えました。
閉経の可能性と妊孕性の低下
妊孕性(にんようせい)とは、妊娠するための力のこと。
抗がん剤の副作用については、吐き気や脱毛しか知識がありませんでした。
良い細胞と悪い細胞どちらも攻撃してしまうので生殖機能にも影響する。
その為に閉経の可能性があることを告げられました。
全く思いも寄らなかったことでした。
抗がん剤治療を受けていいか?意思確認の場でしたが、私はすぐに「受けます」と言えませんでした。
子どもが産めなくなるなら
閉経してしまったら子どもは望めない。
自分が出産することはまだ先のことと思い、妊娠出産について考えることはありませんでした。
考えてこなかったのに、当たり前に子どもを産めると思っていたんです。
そんな私は、望めなくなるかもしれないなら抗がん剤を受けなくてもいい。
受けないと死ぬかもしれないことは分かっていたけど、そう思いました。
この先の未来もどちらも欲しかった。
死にたくないけど、子どもも欲しい。
治療すれば生きられるのだから、子どもを望むことは欲張りなのかな?って思うこともありました。
ただ普通に思い描いた未来がなくなるかもしれないことが、ただ辛くて悲しかったです。
卵子凍結という方法もあるが
抗がん剤治療を受ける前に、卵子凍結をしておく方法もあると説明がありました。
県内では出来るところがないので、県外の病院に行くことになること。
確実に妊娠までいく保障はないこと。
自費の治療になるので、費用負担が多くなること。
長く凍結しておくための料金が必要なこと。
薬を受ける前に卵子を残しておきたい気持ちもありましたが、確実性がなく費用の面が負担になることで前向きには考えられませんでした。
そして、付き合っている人もいなかったので具体的にイメージ出来なかったことも理由の一つです。
家族にも相談をしました。
「治療を受けば元気になれるから、受けてほしい」
と説得されました。
抗がん剤を受けない選択も怖い。卵子凍結をしたい!という気持ちにもなれず、抗がん剤治療を受けることに決めました。
全部手にしたかったけど、それは叶わない。
受けると決めてからも気持ちが晴れることはありませんでした。
短期間で人生に関わる大きな決断を迫られる
乳がんと診断されてから、手術を受けるのか?乳房を全摘するのか?
抗がん剤治療を受けるのか?
短い時間で選択していかなければなりません。
それは、自分の身体や人生に大きく関わることになります。
何を選ぶかによりその後の人生は変わってきます。
選択するために必要なことは?
情報とそれを受けて自分が理解し納得すること。
がんになったことで精神的に不安な中でも、自分を鼓舞して現状を把握し気持ちがグラグラしないことが必要と思いました。
気持ちを保つことは、手術の後の万全ではない体調の中で簡単なことではありません。
情報は提供されるものだけではなく、自分で取りに行くことをした方が良いと思っていますが、気持ちが整っていないとその行動も難しくなります。
気持ちを整え、自分の身体に向き合い選択できるといいのではないでしょうか?